2021-09-18
こんにちは。kioi tv編集者のフィズです。
もう9月中旬ですね。今年もあと3ヶ月かと思うと、この1年はあっという間に過ぎたな〜と感じます。
…まぁ、毎年言ってますけどね(笑)。
小・中・高校生の方は、もうすでに新学期が始まり学業に日々励んでいることでしょう。そういえば、アメリカでは日本と違い、夏の終わり頃に新年度が始まるとご存知ですか。
我々が「今年度もあと半年かぁ」と思っている時、向こうでは新たな1年が始まっているわけです。文化の違いって面白いですね。
ただ、時期や文化は違っても、新たな始まりに向ける不安やワクワク感は、万国共通だと思います。新たな始まりを描いた映画で、新学期も気持ちを切り替えて頑張っていきましょう!
ということで今回は、始まりへ前向きになれる映画「ワンダー 君は太陽」をご紹介します。
制作会社 | ウォールデン・メディア ライオンズゲート・フィルムズ マンデヴィル・フィルムズ パーティシパント・メディア |
監督 | スティーブン・チョボスキー |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ、ファミリー向け |
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〜あらすじ〜
宇宙飛行士に憧れるオギーは、トリーチャーコリンズ症候群をもって生まれてきました。
容態が安定するまでに重ねた手術は27回。
入退院を繰り返していたため、勉強は自宅学習のみでした。
しかし10歳になる頃、オギーは母からの強い勧めで、初めて学校に通うことになります。
家族に見守られながら登校した初日。
オギーは、周りとは違う顔を初めて見た子供たちに避けられてしまい…。
トリーチャーコリンズ症候群という疾患をご存知ですか。
オギーがもって生まれたものは、実際に存在する遺伝子疾患です。遺伝子の突然変異で引き起こされ、平均10,000人に1人の新生児に見られる稀有な症例の一つと言われています。
呼吸困難や難聴などの症状を併発することもあるため、オギーのように何度も手術を重ねる人もいるようですね。
生まれてこの方、出生時以外に入院や手術などを経験したことがない私にとっては、途方もない回数です。体力的にも精神的にも踏ん張ってきたんだなと思いました。
では、作品の話に移りましょう。
「ワンダー 君は太陽」は、R・J・パラシオ氏が2012年に発表した小説「ワンダー」を原作としています。
パラシオ氏が当時3歳の娘と出かけた時、オギーのように頭部骨格に障害を持った少女を見て娘が怯え、泣き出してしまった出来事をきっかけに、本書を書き始めたそうです。
あの時自分はどうするべきだったのか。また、母親として自分の娘にどう教えるべきだったのか。
障害を持つ子とその親、そして周りの人間という「見られる側」と「見る側」の両方の立場から思案し、それぞれの視点で物語は書かれています。
それを、自身も小説のファンである監督のスティーブン・チョボスキー氏は、常にパラシオ氏と連絡を取りながら、慎重に再現していったことを対談インタビューで明かしています。
そう、この映画の魅力はまさに、主人公オギーの苦悩だけではなく、彼の周りの人間それぞれにも焦点を当てているところなんです。
オギーが疾患を持って生まれたことも周りの子に避けられることも、彼自身が望んだことではありませんから、本人が苦しみ悩むのは最もですし、その姿は見ていてやるせない気持ちになります。
ですが、彼以外の人間に悩みや苦しみが全くないわけでもありません。
チョボスキー氏は、パラシオ氏が描いたオギーの周囲の人々の正直な感情も丁寧に描写することで、ただの感動話で終わらせず、一回りも二回りも観た人を惹きつける作品に仕上げたのです。
それぞれが抱える“何か”に大小をつけることはできません。例え大小がつけられたとしても、他人が否定することはできないのではないでしょうか。鑑賞をした後、そんなことを悶々と考えていました。
いろんなものを抱えた登場人物の中には、あなたを射止めるキャラクターがいるかもしれません。
弟を持つ私は、オギーの姉ヴィアの視点がダイレクトに刺さりました。
もし自分がヴィアの立場だったらどうするだろうかと考えたり、オギーに付きっきりになる両親を見てきたヴィアに共感したりと、ずいぶんのめり込んでしまいました。
こういった味のある人物たちに注目しながら、ワインや日本酒などと共に、ゆっくり、じっくりと映画を味わって欲しいですね。
心を痛めることも多い作品ですが、徐々にオギーや周りの親しい人々が笑顔になっていく姿を見て、私は思わず感動で涙が出てきてしまいました。
現実ではこんな簡単にハッピーエンドには行けないかもしれません。しかし、少しでも近づけるよう、外見に囚われず内面を見られる人が増えればいいなと思いますし、私も今一度自身を見つめ直そうと思いました。
小説も合わせて、ぜひご覧ください。
酒飲みの余談
日本酒で言いますと、私は「獺祭」が1番好きなんですが、最近は「澪(みお)」にハマってます。
「澪」は、低アルコールで製造されたスパークリング清酒です。通常の日本酒はアルコール度数が15%前後のものが多い中、「澪」は5%と飲みやすい度数に作られています。
マスカットのような甘い風味の日本酒なので、日本酒を嫌厭しがちな方も一緒に楽しめるのではないでしょうか。
最近だと、数量限定で「澪<ROSE>」も販売されていましたね。
こちらは紅麹を使っているため、ほのかにピンクに色づいています。味も甘酸っぱくて、私はこっちの方が好みでした。
ただ、Amazonや楽天などでは現在、在庫なしになってしまっているので、お店でお目にかかれたら奇跡的かもしれません。
もし見かけた方は即購入をお勧めします!
いかがでしたか。
ほとんどの人にはコンプレックスや障害、趣向など、あなただけのものがあると思います。
そういった互いの違いを、否定せず“当たり前”として受け入れられる人間になれるよう、私は成長していきたいです。
では、また別の映画紹介でお会いしましょう!
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フィズ | 城西国際大学メディア学部所属 kioi tv編集者 ホラーを中心に洋画・海外ドラマを愛する酒飲み 余韻は最低2時間 |